主体的に生きる

文系出身SEが29歳から人生について本気で考える。

【書評】旅のラゴス

筒井康隆、『時をかける少女』で有名なSF作家ですが、知人に勧めてもらった小説、『旅のラゴス』について書きます。

 

筒井作品はこれ以外読んだことはないのですが、数年前に知人に勧められて読んでみたらとても面白くて、お気に入りの一冊になりました。

最近人生について悩んでしまうことが多くなってきたので、久しぶりに読んでみました。250ページくらいなので、1日でさらっと読めてしまいます。

 

久しぶりに読んでみた結果、やはり旅がしたくなるし、コーヒーが飲みたくなるし、しばらく引きこもって色々なジャンルの本が読みたい!と思いました。

 

 

2000年前に祖先が宇宙船で辿り着いたこの世界では文明は進んでおらず、電気もまだなく、主人公ラゴスも馬に乗って旅をするような世界です。その代わり転移という瞬間移動や飛行、読唇術といった超能力的な力を備えた人が存在するような世界です。

ジョジョの奇妙な冒険」とか好きな人は割とすぐに入り込めるような世界観だなーと思います。

 

最初は短編の物語が続き、独特の異世界感が続いて、物語にも入り込みづらいのですが、気付くと物語は大きく進み、ラゴスの旅、人生も淡々と進んでいきます。青年ラゴスは様々な経験をしながら、やがて老人になって故郷に帰ります。

 

 

旅の目的は何でもいい。人生と同じように。

 

ラゴスのやりたいことをやりたいようにやる人生にとても憧れます。

たとえ奴隷になって7年働いても、15年の研究成果が一瞬にして無くなってしまっても、行く先々で女性といい関係になっても、旅を続け、学んだことを世界にアウトプットする。そして逢えるかもわからない想い人に逢うべく、また旅に出る。

誰にも命令されるわけでもなく、やりたいからやる。孤高で知的でクール、それでいて皆から慕われる。ラゴス、超カッコいいです。

やりたくもない仕事で毎日消耗しているような人生が本当に不毛に思えます。自分も「旅行」ではなく、一度「旅」に出た方がいいんじゃないかと本気で思います。

 

記事を書くにあたってAmazonを見てみたら前はなかったKindle版が出ていました。とりあえず買っておこう。とてもオススメなのでぜひ読んでみてください。では。

旅のラゴス(新潮文庫)

旅のラゴス(新潮文庫)