【書評】南谷真鈴さんの本は登山の本ではなく「生き方」の本だった
2017年4月、日本の大学生、南谷真鈴(みなみや まりん)さんが北極点に到達し、探検家グランドスラムを達成しました!おめでとうございます!
今日はそんな南谷さんの本『自分を超え続ける』についての記事です。
自分を超え続ける―――熱意と行動力があれば、叶わない夢はない
- 作者: 南谷真鈴
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まず、この本は南極点からエベレストを含む各大陸の最高峰に到達するまでが書かれており、これから北極点に挑戦するぞ、という内容です。
探検家グランドスラムとは
七大陸最高峰と北極点、南極点を制覇すること。世界でもまだ50名しか成し遂げていないそうです。
七大陸最高峰制覇=セブンサミッター
七大陸最高峰は?
- アジア大陸:エベレスト(ネパール・中華人民共和国、8,848m)
- ヨーロッパ大陸:エルブルース(ロシア連邦、5,642m)*
- 北アメリカ大陸:デナリ(アメリカ合衆国、6,194m)
- 南アメリカ大陸:アコンカグア(アルゼンチン、6,959m)
- アフリカ大陸:キリマンジャロ(タンザニア、5,895m)
- オーストラリア大陸:コジウスコ(オーストラリア、2,228m)
- 南極大陸:ビンソン・マシフ(南極半島付近、4,892m)
*ヨーロッパ最高峰をモンブラン(4,810m)とする場合もある。
一方8,000m超えの山は世界に14座。これらを全部登ることに名前はあるのだろうか。
どうやら「14サミッター」でいいようです。こちらも世界でまだ33名しか達成していないようです。
ちなみに日本人で初めて8,000m峰全てに登った竹内 洋岳さんの本も面白いです。これを読んでから僕は登山で「アタック」とか「制覇」とか言わなくなりました。
標高8000メートルを生き抜く 登山の哲学 (NHK出版新書)
- 作者: 竹内洋岳
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2013/05/08
- メディア: 新書
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南谷さんは決断力と行動力がすごい
例えばエベレストに登ろうと決めてプランを立て始めたのが17歳。女性ということや社会に出ることも考慮して大学入学前か在学中に登るのがベストと結論づけます。そしてやると決めて資金集めや計画もすべて自分で行います。
そして行動する中で新たなチャンスを見つけ、柔軟に、臨機応変に行動する。行動するということはイコール決断するということです。
彼女はそれがズバ抜けてるなと感じました。
会社でも何かにつけて目標を設定して、それの達成度で評価されるなんてことが往々にしてありますが、簡単に達成できそうな無難な目標を設定しがちです。そしてそれすらも達成できないとこが多々あります。それは当たり前ですが、行動してないからなんですね。
結局行動するのは自分です。
何が言いたいかというと、今日もこうやってグダグダとネットサーフィンすると決めたのも自分です。それよりも外に出よう。行動して新たなチャンスを見つけよう。迷ったら行動してみましょう。迷ってとどまるだけじゃもったいない。実体験しましょう。
最近僕もそういった考えにシフトするようになってきましたが、改めてそう思わせてくれる本でした。よって登山に興味がない人にもオススメ。
印象的な言葉がたくさん出てくる
各章では彼女の実体験を元にした印象的な言葉が出てきており、章末でそれらがまとめられています。それらを見返すだけでも勇気付けられるのでは。
ひとつだけ紹介すると、南極のビンソン・マシフを登ったついでに南極点に向かうため、様々な国の様々な年齢のメンバーと行動した際に彼女が感じたこと。
世界を見るというのは外側を広げることではなく、自分の内側を広げることなのかもしれません 。
自分の周りに輪があり、輪の外側を意識するのではなく、自分の輪を広げて外側のものを自分の輪の中に取り込むイメージ。最近『7つの習慣』を読んでいても同じようなことが出てきたので、人間の成長の原則なのかもしれません。
他にも心に刺さる言葉がいくつも出てくるので、やる気を出したい人は読んでみるといいかも。
他にオススメの登山の本
ついでに登山の本のオススメを紹介します。南谷さんの本はさらっと読めちゃいますが、じっくり読みたい人向けの小説と漫画です。
どちらもフィクションですが、夢枕獏の『神々の山嶺』(岡田くんが主人公を演じた映画エヴェレストの原作)や、漫画『孤高の人』では壮絶な登山が描かれています。どちらの主人公も非常にストイック。
南谷真鈴さんのインスタを見つけたのでフォロー。綺麗な景色や街並みの写真が多め。見た目も大人っぽいですな。本には東京オリンピックにも関わりたいと書いてありましたので、今後の活躍も期待しています。では。